きみのいない明日を紡ぐということ

きみが消えて、毎日が過ぎて、思いのほか元気に過ごす自分がいることに驚いている

ご飯は美味しい、友達と笑って過ごす、夜は寝る

 

でも、きみがいなくなった世界は、なにかが足りない。

 

きみが映る物の再生ボタンはなぜだか押せなくなってしまった。君の笑顔が写る雑誌はなぜだか開けなくなってしまった

君がいない日々を認めることが悲しくて、タイムラインに流れる君を引き止めるように♡を押す

 

大好きだった君を、好きなアーティスト欄から消せなくてたいせつにしていたら、いつの間にか消えてしまった

新しい君はどんどん更新されなくなって、いつかわたしだけがきみに縋るのかもしれない

 

君がいたことを何時まで同じように悲しんで、いつまで君がいたことを鮮明に思い出せるのだろうか

 

私に明日が来るように、きみにも明日が来て、その分だけ君がいない歴史を重ねる

そしていつかは君を好きだった時間より君がいない時間が長くなる

 

君をふと探さなくなる日が、

君を引き止めるように画面に指を弾ませなくなる日が

 

君を思い出にできた日になるのだ